
NVIDIA、AIネイティブな6G無線技術の研究開発でT-モバイル、シスコらと提携
米半導体大手のNVIDIAは2025年3月18日、T-モバイル、MITRE(米非営利研究機関)、シスコ、ODC(Open RAN Development Company、米投資ファンドのサーベラスのポートフォリオ企業)、ブーズ・アレン・ハミ...
2025/04/16
Posted on 2025/04/16
米半導体大手のNVIDIAは2025年3月18日、T-モバイル、MITRE(米非営利研究機関)、シスコ、ODC(Open RAN Development Company、米投資ファンドのサーベラスのポートフォリオ企業)、ブーズ・アレン・ハミルトンとの提携を発表した。6G向けにAIネイティブな(AIをシステムの根幹から組み込んだ)ワイヤレスネットワークのハードウェア、ソフトウェアおよびアーキテクチャの研究開発で協力する。
この共同研究では、「NVIDIA AI Aerial」プラットフォームをベースにしたAIネイティブなワイヤレスネットワークスタックの開発を目指す。主要な開発分野には、RANとAIのワークロードを単一プラットフォームに統合し、AIを無線信号処理に組み込む「AI-RAN」なども含まれる。
NVIDIAはプレスリリースの中で「次世代ワイヤレスネットワークは、数千億台の電話やセンサー、カメラ、ロボット、自律走行車をシームレスに接続するために、AIと根本から統合されている必要がある」と主張。「AIネイティブなワイヤレスネットワークは何十億ものユーザーにより充実したサービスを提供し、スペクトル効率(一定の帯域幅でどれだけのデータを伝送できるかを示す指標)の新たなスタンダードを打ち立てるだろう。また、画期的なパフォーマンスとリソース活用を実現すると同時に、通信会社に新たな収益源を生み出す」としている。
なお、パートナー各社の役割については、以下のような説明が提供されている。
- T-モバイル
2024年にNVIDIAと共同で立ち上げたAI-RANイノベーションセンターを拡大。AIネイティブな6Gネットワーク機能の研究を加速させる。 - MITRE
エージェント型のネットワークオーケストレーションやセキュリティ、動的周波数共有、6G統合型センシングおよび通信など、オープンでAI主導のサービスやアプリケーションの研究、プロトタイプの作成や提供を行う。 - シスコ
モバイルコアおよびネットワーク技術を提供し、既存のサービスプロバイダーへのリーチと専門知識を活用する。 - ODC
AIネイティブな無線アクセススタックの一部として、仮想RANの分散ユニットおよび集中ユニット向けに最先端のレイヤー2およびレイヤー3ソフトウェアを提供する。 - ブーズ・アレン・ハミルトン
AI-RANアルゴリズムを開発し、AIネイティブな6Gワイヤレスプラットフォームのセキュリティを確保する。同社のNextGラボは、プラットフォームの回復力とセキュリティを確保するために、機能、パフォーマンス統合、セキュリティテストを実施。また、自律性やロボット工学などの高度なユースケースのフィールドトライアルを主導する。