産業技術と最先端通信技術の現場からの報告

XGMF・ミリ波普及推進ワークショップは、名称をXGMF・ODAIBA IX Coreにバージョンアップし、新たな活動をスタートします。今回のワークショップは、そのXGMF・ODAIBA IX Coreの活動方針のご説明と、従来からメンバーとして活動いただいている会員企業の皆さまからの5G/ローカル5G/ミリ波開発に関連した現場からの報告を実施します。

Posted on 2024/08/19

開催概要

イベント名称
XGMF・ODAIBA IX Core
最先端産業技術と最先端通信技術の融合(IX)ワークショップ Vol.8
産業技術と最先端通信技術の現場からの報告
TeleGraphic WorkShop/Industrial & Communication Engineers Talk
開催日時
2024年8月22日(木曜) 15:00〜17:30(14:30受付開始)
参加方法および会場
(いずれも無料)
現地(docomo R&D OPEN LAB ODAIBA:東京テレポート駅・徒歩3分)でのイベントに参加希望の方はこちらから(先着100名)、また同時刻に開催されるZoomウェビナー(Webinar)への参加をご希望の方はこちらから
主催
XGMF・ODAIBA IX Core

タイムテーブル (敬称略)

Opening(開会挨拶)
XGMF事務局
大村好則
ODAIBA IX Core ご紹介
中村武宏 ODAIBA IX Core リーダー
Session1(セッション1)

フジクラの技術開発戦略とミリ波技術
坂野達也 (ばんの たつや)
株式会社フジクラ 取締役CTO

フジクラは創業から140年近くの長い歴史を持つ企業で、電線から始まり、光ファイバを中心とする情報通信、エネルギー、エレクトロニクス、自動車など幅広い分野で事業と製品を展開してきました。これらの事業で提供される製品にはいずれも固有の技術があり、電線以外に事業分野を拡大していく過程で、これら固有のコア技術と共通で利用できる基盤技術を磨いてきました。2025年中期経営計画では、フジクラが取り組むべき技術分野、新規製品を開発するために必要な設計技術や加工・組み立て技術、製造技術からなるコア技術と共通技術として活用する基盤技術を整理して「テクノロジープラットフォーム」を作り、将来に向けた研究開発テーマに取り組んでいます。この中でもR&Dの重要テーマとして「次世代光通信」、「次世代エネルギー」そして「ミリ波応用」という3つのテーマを設定しています。講演では、その重要テーマであるミリ波技術開発の歴史と、28GHzアンテナモジュールと60GHz通信モジュールの2つの開発品について概要をご紹介します。また、最後に、弊社の60GHz通信モジュールを用いた低遅延・大容量伝送の共同実証実験についてもお話しします。
坂野達也

1987年フジクラに入社以来、一貫して光ケーブルに関する開発、技術及び製造技術に携わり、フジクラの光関連事業における豊富な経験とともに、光ファイバ関連の高度な専門知識を有する。2021年から情報通信事業の責任者として光ケーブルトータルソリューション事業を手掛け、フジクラの成長事業領域といわれるまでに成長させた。2022年4月からは取締役CTOとして新事業創成・研究開発部門、及び品質統括部門を統括し、フジクラの経営戦略・事業戦略の立案・実行に取り組む。

Session2(セッション2)

Sony’s initiative for 5G Technology and Use case
豊田修之 (とよだ なおゆき)
ソニー株式会社 技術センター 無線通信システム技術部門 通信システム開発部 シニアソフトウェアエンジニア

日本では5Gの商用サービス開始から4年が経過し、コアネットワークも含めた5G、すなわちSA(Stand Alone)によるサービスも始まっています。ソニーでは、クリエイターとユーザーという「人に近づく」こと、また「クリエイションシフト」という経営の方向性の下、「感動」を創り・届けることを軸に活動しています。これらを実現するための一つの手段として、5Gを活用することに取り組んでいます。本講演では「クリエイションシフト」をどのように5G実現するか、また、デバイスおよびミリ波を含めたユースケース・ソリユーションによって、どのように「人に近づく」ことを実現しているかをご紹介します。
豊田修之

大学卒業後、大手通信機器メーカーにて携帯電話基地局や5G実証実験に関わるプロジェクトに従事。2018年にソニーモバイルコミュニケーションズ(現ソニー株式会社)に入社。現在は通信のベースバンド信号処理の専門知識を活かし、ソニーの製品・サービスとモバイル通信を融合した革新的なソリューションの開発に貢献し、新たな価値創造の領域を切り拓くことを目指している。

Session3(セッション3)

富士通における5Gの技術開発の現状と今後の展開
関宏之 (せき ひろゆき)
富士通株式会社 モバイルシステム事業本部 製品企画統括部 部長

本講演では、まず、富士通が重点的に取り組んでいる技術領域の一つであるネットワークテクノロジーの方向性と、富士通が5Gにおいて取り組んでいるOpen RANテクノロジーの全体像について説明をいたします。次に、Open RANテクノロジーの中から、無線基地局装置(RU:Radio Unit)における、キーテクノロジーであるビームフォーミングと高周波デバイス技術に関して、最新の技術開発の事例をご紹介いたします。最後に、小型・省電力の次世代ミリ波RUの開発を目的としたRUの統合モジュール化の取り組みについてご紹介し、5Gミリ波の高速・大容量特性をWi-Fi並みの設置しやすさで実現可能とすることが、スループットあたりのTCOを削減し、ミリ波普及推進に有効であることを示します。
関宏之

1992年に富士通研究所に入社以来、3Gから5Gに至る移動通信に関する無線通信、アンテナ・電波伝搬技術の研究開発に従事。1999年に客員研究員として渡米、スタンフォード大学にてスマートアンテナに関する研究を専攻。2015年3月に東北大学大学院工学研究科通信工学専攻(博士号取得)。2011年9月 IEEE Senior Member、2012年5月 電子情報通信学会 シニア会員、2012年9月 IEEE VTC2012-Fall, Best Paper Award受賞、2017年11月 関東地方発明表彰 栃木県発明協会会長賞受賞。

Session4(セッション4)

The Promise of FR2(FR2の可能性) ※ビデオ講演
Roger Nichols (ロジャー・ニコルズ)
Keysight Technologies 6G Program Manager

ここ2年間、無線業界は5GのFR2に対して批判を続けています。かつて、超高速かつ安全なデータレートを実現する有望な手段とされたミリ波通信は、現時点で市場において限られた成功しか収めておらず、一部の人々はこれを「失敗」と呼んでいます。いくつかの問題は実際に存在します(高コスト、明確な「キラーアプリ」の不在、リンク管理における技術的課題)が、初めに5G FR2を過剰に宣伝したのと同じジャーナルやジャーナリストからの批判も一部にあります。SMS、MIMO、1800/1900MHz帯、さらにはデジタルパケットラジオなど他の多くのモバイル無線技術と同様に、FR2の最初の実装は5年前の宣伝とは一致しませんでした。しかし、センシングや高容量の産業・エンターテインメント用途を含む新たなユースケースの探求、より優れたリンク管理規格、AIの導入、そして部品コストの継続的な低下など、実際には異なる状況が見えています。また、スペクトラム資源に対する圧力も著しいです。この講演では、このスペクトラムと最新技術を最大限に活用するための機会について説明します。また、5Gミリ波の第2段階を生産的に進めるために、設計と測定がどのように進化したかについてのいくつかの例も取り上げます。
Roger Nichols

ヒューレット・パッカード、アジレント、キーサイトにてR&D、マーケティング、製造などの部署で、エンジニアおよびマネージメントとして39年にわたり従事。モバイル無線通信の設計および測定技術における専門家である。
過去の5世代すべてのモバイルワイヤレス技術に関する経験を持ち、キーサイトの6Gプログラムを2019年の開始以来指揮している。FCC技術諮問委員会のメンバーであり、またキーサイトのワイヤレス標準に関する戦略ディレクターでもある。

Session5(セッション5)

ローカル5Gの鉄道利用とその未来
中村光則 (なかむら みつのり)
阪神電気鉄道株式会社 情報通信事業本部 情報通信統括部 副部長(地域BWA推進協議会)

大きな期待をもって動き出したローカル5Gですが、4年が経過した今もなお普及期に入ったとは言えない状況にあるものの、ローカル5G設備・端末コストや選択肢の問題も徐々に解消してきており、柔軟な運用に向けた免許制度の改正も進んでいます。一方で、道路等の細長い自己土地におけるローカル5G運用については、他者土地への電波漏れ問題で現状も免許取得が制限されています。弊社は、2021年度から鉄道全線におけるローカル5G活用を目指した実証実験・検証に取り組んでいますが、今後の制度整備も含めてある程度の方向性が見えてきたことから、実現に向けた未来を簡単にご紹介できればと思います。
中村光則

大学卒業後、IHI宇宙開発事業部を経てテレビ局および他のメディア関連企業での業務に従事。2006年にフジクラに入社し、BWA制度化議論当初から地域無線業界に携わった。地域WiMAXの時代を経て、2013年には地域BWA高度化(4G/LTE化)を主導。2016年に阪神電気鉄道に移り、同社の地域BWA事業に貢献している。
また、地域BWA推進協議会のBWA推進部会長としてBWAの普及促進に努めると共に、総務省・情報通信審議会のBWA高度化活動にも継続的に参加。2018年以降は、新世代モバイル通信システム委員会のローカル5G検討作業班、上空利用検討作業班及び技術検討作業班の構成員として、ローカル5Gの導入や高度化、制度化議論に積極的に取組んでいる。

Discussion(ディスカッション)
司会:中村 武宏
パネリスト:講演者、岩浪リーダー、城田サブリーダー
Closing Section(総括〜終了)
 

お問い合わせ

XGモバイル推進フォーラム(XGMF)/TeleGraphic 編集部まで
E-mail: event@telegraphic.jp

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